シナリオ「舞い降りし凶兆」 □ピリオド  プレイヤー人数に応じて、ピリオドの数は以下の通りとなる。  2〜3人:3ピリオド  4〜5人:2ピリオド  6人 :1ピリオド □PC初期配置  全員:B □イベント配置 1 2 4 3 B 6 8 7 5 ロックイベント:1、8 ※ロックイベントは、タイトルに(L)と付随する。 ■状況説明  旧八王子市の郊外に築かれたハチオウジベースは、南のサガミハラベースと連携し、東京エリアの西の防衛線を構築している。共に防衛ラインを担う重要拠点として両ベースは交流を密にしており、高尾山麓を交易ルートとして多くの隊商が行き交う。  だが、突如として西側のZOWが拡大し、交易ルートを覆う異変が起きた。その影響か、ゾーン内に暴風雨が発生し、ハチオウジベースへ訪れるはずの隊商も姿を見せない。  ハンターが救出に向かうべく準備を整える中、ホームより「ZOWの急拡大は、コロッサルが富士方面から飛来した影響による可能性が高い」との知らせが届いた。加えて、暴風雨の影響でベース内も浮足立っている。救出、討伐、ベースの維持……今回もハードなミッションになりそうだ。 ■物語の流れ  ハチオウジベースとサガミハラベースは高尾山の開拓を共同で行っており、街道の整備などもその一環だった。  だが、盛んになった人の往来に刺激され、ガルーダが富士方面から飛来することとなる。  隊商は、不幸にもZOWが広がったタイミングで高尾山麓に足を踏み入れ、凶暴化した動物たちに襲撃されてしまった。多くの重傷者を出しながら、彼らはからくも高尾薬王院へ逃げ延びることに成功する。  だが、ZOWの影響を受けたのは隊商だけでなく、ベースのあちこちでもトラブルが発生していた。PCはトラブルの鎮静や隊商の救出にと飛び回ることになる。  PCが隊商を助け出した頃に、ガルーダが偶然ながら移動を再開し、ハチオウジベースへと迫る。阻止するならば、決戦の舞台は高尾山山頂だ。コロッサルを討ち果たし、この騒動に終止符を打とう! ■イベント ●タイトル:(1)高尾山薬王院(L) ●分類:日常 ●専門能力:医療 ●GM情報  行方不明だった隊商を発見するイベント。  死者こそ出ていないが、重傷者もいる。怪我人を治療できれば彼らも安心するだろう。 ▼人物  大塚ヤスジロウ:60代前半。元軍人。ハチオウジベースの隊商を仕切るリーダー。顔に銃創があり、迫力ある顔だちをしている。もともと信仰心篤く、高尾山薬王院へと頻繁に訪れていたことから、隊商の仲間と共に薬王院に逃げ込むことができた。手持ちの医薬品では負傷者を治療するには不十分だが、負傷者を連れてベースまで逃げ込むのも困難と判断し、ベースからの救援を待っている。 ▼詳細  街道から続いていた引き摺った跡と血痕を辿り、PCは高尾山薬王院へと訪れる。  僅かに明かりが漏れる本堂に近付くと、「オンコロコロセンダリマトウギソワカ」という聞き慣れない言葉が何度も聞こえてくる。  中に入れば、横たわる数名の怪我人と、薬師如来像を拝む大塚の姿が目に入った。彼はPCに気付くと「御仏は我々を見捨てていなかった」と言って、その場に力なく崩れ落ちる。  大塚を含め隊商のメンバーは大怪我を負っており、医薬品が足りなかったのか手当てが不十分なようだ。ようやく見つけた生存者を、このまま見捨てるわけにはいかない。  PCは上手く治療出来たか判定を行うこと。 ●プライズ ▼アンロック2:(8)舞い降りし凶兆 ・条件:このイベントへの参加 ▼成功:3RM  治療を受けた仲間の様子を見て、大塚は涙を流して感謝する。 「本当にありがとう。御仏もお主らの活躍を見ていてくださるだろう……」  そう口にした彼は、せめてもの礼として懐から取り出したマテリアルをPCに手渡してくれる。  PCが烏天狗の面を持っている場合、大塚はさらに感謝を深くする。 「飯綱権現様が……。そうか、お主らを遣わしてくださったのか……」  その直後、RIACTからのHLで、コロッサルがハチオウジベースへと向けて動き出したという報告が届く。  大塚がそのことを知ると、「我々のことはよい。ベースのためにもコロッサルを頼む。お主らに御仏と戦勝の神の御加護がありますよう……」と激励してくれるだろう。  なお、ベースのRIACT支部に大塚たちの所在や状況を伝えれば、救援部隊が派遣される。ただし、君たちがコロッサルを無事に討伐出来ればという話だが……。 ▼失敗:なし  怪我を上手く治療出来なかった。彼らは気を失ったまま、その痛みにうめき声をあげている。  大塚は「何分急なことだ。仕方ない」と慰めるが、失意は隠しきれない。最後は仏頼みとばかりに再び薬師如来像へと祈り始める。  その直後、RIACTからのHLで、コロッサルがハチオウジベースへと向けて動き出したという報告が届く。  なお、ベースのRIACT支部に大塚たちの所在や状況を伝えれば、救援部隊が派遣され、怪我人も助かるかもしれない。それも、君たちがコロッサルを無事に討伐出来ればという話だが……。 ※飯綱権現とは  白狐に乗った烏天狗の姿を持つとされる山岳信仰発祥の神。戦勝の神として、中世戦国時代の武将に盛んに信仰された。現在も高尾山薬王院をはじめ、主に関東以北の寺院で祀られている。 ●タイトル:(2)吹き荒ぶ風の中で ●分類:復興 ●専門能力:農業・畜産 ●GM情報  強風による作物への被害を抑えるイベント。  果樹を守ることも、復興の一助となる重要な任務と言えるだろう。 ▼人物  井上エリコ:30代。果樹園を任されている女性で、責任感が強い性格。消息不明になった隊商に夫が所属している。  夫への心配に加え、果樹園の責任者という立場もあり、憔悴している。 ▼詳細  ベース外部にある果樹園は、ハチオウジベースにとって重要な農地の一つだ。果物は貴重な甘味で、住人の元気の源と言える。加えて土地の良さもあって収穫物の質は高く、他ベースから買い付けにくる隊商もあるほど人気が高い。  だが、高尾山から果樹園までの間には急な暴風雨を遮るものはなく、このまま手をこまねいていれば果樹園は大打撃を受けるだろう。井上を手伝い、雨風が強くなる前に果樹の補強や風除けの設置が出来たか判定を行うこと。 ●プライズ ▼成功:復興ポイント+1  果樹園の補強に、何とか間に合ったようだ。ほっとした表情で、井上は君たちに礼を言う。  難題が一つ片付いたことで、もう一つの心配を思い出したのだろう。彼女は再び表情を曇らせて、PCに「隊商の救助を頼めないか」と依頼してくる(PCが救助に行くことを知らなかったようだ)。聞けば、彼女の夫は行方不明の隊商の一員であり、居場所に心当たりがあるという。山中にある寺院、高尾山薬王院だ。 「時々立ち寄っていたみたいなの。そこに避難している可能性もあるかもしれない。たぶん、なんだけど……」と言う彼女は、すがるように頭を下げる。PCが救助に行くことを告げれば、彼女は安心した様子で避難所へ向かう。 ▼失敗:なし  作業中に風雨は強くなる一方だ。果樹自体に大きな傷はないものの、風に煽られて果実の多くが落下してしまった。残念そうにしながらも、井上は君たちに礼を言う。  彼女はその後、PCに「隊商の救助を頼めないか」と依頼してくる(PCが救助に行くことを知らなかったようだ)。聞けば、彼女の夫は行方不明の隊商の一員であり、居場所に心当たりがあるという。  ただ、補強に時間がかかったこともあり、山中にある寺院の話を聞けたものの詳細まで聞く余裕がなかった。強くなる風雨に急かされるように、彼女は避難所へと向かう。 ●タイトル:(3)烏天狗の導き ●分類:調査 ●専門能力:探偵(13) ●GM情報  高尾山の中にある、街道に残された荷物を発見するイベント。  周囲には血痕もあり、痕跡をもとに一刻も早く隊商の行方を追う必要がある。 ▼人物  特になし。 ▼詳細  消息不明になった隊商を探すため高尾山脇の旧圏央道跡を進むと、路上に荷物が散乱しているのを発見する。その近くには、横転した軽トラックも見える。  PCは何か手がかりが無いものかと周囲に目を凝らしていると、不意に背後から何かの気配と視線を感じた。(次の項目に続く) ・イベント「吹き荒ぶ風の中で」「大好きなお祖父ちゃん」のいずれかないし両方を実行していた場合  振り返る間際、カランと乾いた音が聞こえた。見れば、先ほどまでなかったはずの鴉天狗の面が、道路と森の境界のあたりに落ちている。枝か何かに引っかかっていたのが落ちてきたのだろうか。その仮面に導かれるように行く手を探すと、森の奥に血痕や何かを引き摺ったような跡がある。  それにしても……とPCは解せないことに気付く。面が落ちた場所は下草が密集しており、先ほどのような音がするとは思えない。それに、先ほどの音は下駄の音に似ていたような……。 ・上記イベントを実行していない場合  振り返れば、背後の森の奥に血痕や何かを引き摺ったような跡がある。  PCはその痕跡を辿れたか判定を行うこと。  暴風雨にさらされる中という困難な状況のため、この判定の難易度は(13)とする。  ただし、イベント「吹き荒ぶ風の中で」か「大好きなお祖父ちゃん」を先に実行していた場合、難易度は(11)となる。上記のイベント二つともを実行していた場合、難易度は(9)となる。 ●プライズ ▼アンロック:(1)高尾山薬王院 ・条件:このイベントへの参加 ▼成功:2RM  残された跡を辿る途中、偶然か、誰かが落としたらしいRMを回収した。  山頂へと続く跡を追うと、深緑の中から覗く朽ち果てた寺院が顔を出した。  何かを引きずった痕跡もその境内へと続いている。隊商はこの寺院に避難しているのかもしれない。 ▼失敗:人間性-1(イベントPCのみ)  残された跡を辿る途中、不運にもゾーンで凶暴化した猿の集団の奇襲を受けてしまう。猿は果物を手にしていたり、衣料品を腕に引っ掛けていたりと目立つ姿をしていた。  街道で隊商を襲ったのはこの野獣たちだった。不意を打たれて軽く負傷してしまうが、このまま放ってはおけない。PCは凶暴化した猿を撃退した後、痕跡を追って、山中にある寺院を発見した。何かを引きずった痕跡もその境内へと続いている。隊商はこの寺院に避難しているのかもしれない。 ●タイトル:(4)避難経路の確保 ●分類:準備 ●専門能力:土木 ●GM情報  強風で折れて、避難路を塞いだ木々を取り除くイベント。  迅速に作業を終えられたかの判定を行わせる。 ▼詳細  避難所への道を倒木が塞いでいるとの連絡を受け、PCはその撤去に向かった。  雨風は弱まることを知らず、このまま天候が悪化すれば、子供や老人は避難そのものが危うくなるかもしれない。実際、近くには避難しようとしたが、立ち往生してしまっている住民も居る。  PCは倒木を撤去するための判定を行うこと。 ●プライズ ▼成功:追加AP+1(全員)  難なく木々を取り除くことに成功し、住民から感謝と労いの声を掛けられる。  まだ風雨もさほど強まっていない。今ならば、彼らも安全に避難所へと辿り着くことが出来るだろう。 ▼失敗:なし  木々を取り除くことは出来たが、少々時間が取られてしまった。  先ほどよりも風は強くなっており、作業の間待っていた住民の中には寒さで震えている者もいた。彼らが無事避難できるか心配になる。 ●タイトル:(5)友を信ずるがゆえに ●分類:準備 ●専門能力:宗教 ●GM情報  避難を拒む住民を説得するイベント。  危険を省みない住民を説得できたかの判定を行わせる。 ▼人物  リクゼン:50代後半。かつて軍人として、コロッサルと戦ったことのある男性。その時の怪我が原因で退役し、現在は仏僧としてハチオウジベースに腰を落ち着かせている。消息不明になった隊商のリーダーとは軍人時代、上司と部下の関係だった。 ▼詳細  避難を始めていない住民たちが、なぜか消息不明になった商会の拠点に集まっているという。PCはRIACT支部職員から説得を頼まれて、その店に足を踏み入れた。  そこには僧服に身を包んだ男性――リクゼンと、商会のメンバーらしい初老の老人たちが、てこでも動かぬとばかりに座り込んでいた。  リクゼンは物腰こそ丁寧だが、PCが危険を伝えても避難しようとしない。 「貴殿らに迷惑を掛けたくて申しているのではございません。拙僧らは危地と知ってなお、この場から離れたくはないのです。迦楼羅天{ルビ:かるらてん}の紛い物たる、あのコロッサルが近付いているならば尚更のこと」  彼らは隊商のリーダーが帰ってくるのを、ここで待っていたいのだという。なぜかと問えば、 「……意地です。かつて我らはあのコロッサルめに敗北を喫した。だが、死にもしなかった。此度の襲来は、その再戦のように思われるのです。大塚殿が無事帰還すれば、我らの勝ち。逆ならば……老い先短い身、若人の重荷になってまで生き延びようとは思いませぬ」  リクゼンは祈るように両手を合わせる。見れば、その手の一方には、白狐に乗った烏天狗の木像が握られていた。  意思は固そうだが、彼らを見過ごすわけにはいかない。PCはリクゼンらの説得に成功したか判定を行うこと。 ●プライズ ▼成功:コロッサルの情報  PCの言葉に感じ入ったか、若いハンターたちに迷惑を掛けていることを気が咎めたのか、ようやくリクゼンたちは避難に応じてくれた。  リクゼンは手間をかけたことを詫び、役にたつかもしれないとコロッサルの情報を教えてくれる。  リクゼンが教えてくれるコロッサルの詳細は、次の4つである。  形状:ガルーダ型(基本248ページ)  攻撃方法:優先行使度1〜2の攻撃  サブコアの位置:ガルーダ型のデータ参照  メインコアの位置:ガルーダ型のデータ参照 ▼失敗:なし  彼らは頑なに避難を拒否し続ける。リクゼンは手間を掛けた詫び代わりにと、コロッサルの情報を教えてくれる。  リクゼンが教えてくれるコロッサルの詳細は、次の4つである。  形状:ガルーダ型(基本248ページ)  攻撃方法:優先行使度1〜2の攻撃  サブコアの位置:ガルーダ型のデータ参照  メインコアの位置:ガルーダ型のデータ参照 「我らのことは捨ておいていただいて構いません。そのような些末事よりも、どうか、この地に迫る厄災を打ち払いますよう、お願い申し上げます」  彼はそう懇願した後、床に置いた木像に向かって経を唱え始める。他の老人たちも唱和し、その後は一切耳を貸そうとしなかった。彼らの覚悟は固いようだ。 ※迦楼羅天とは  鳥頭に人身を備え、有翼の姿を持つ仏教の守護神。インド神話におけるガルーダを前身とする。似た姿を持つ天狗は、この迦楼羅天信仰が変じたものという説もある。 ●タイトル:(6)断たれたライフライン ●分類:復興 ●専門能力:電気 ●GM情報  強風で断線してしまった電力配線を修復するイベント。  手早く直せたか判定を行わせる。 ▼人物  特になし。 ▼詳細  ハチオウジベースにも小型ながら発電所が設置されている。その配線の一部が強風で切断されたらしい。  現場に向かうと、切れた配線が激しく宙を揺れている。万が一、住民や建物にぶつかりでもすれば事故や火災の元になりかねない。  PCは手早く直せたか判定を行うこと。 ●プライズ ▼成功:復興ポイント+1  手間取ることなく配線の修復は完了した。  だが、風は強くなる一方で、いつ他の場所で電線が切断されてもおかしくない。危ない所を見回って、出来るだけ補強しておくことにした。 ▼失敗:なし  配線の修復は出来たが、応急処置レベルに留まった。  さらに時間が掛かってしまったこともあり、他の場所を見回る時間も残らなかった。あとは何もないことを祈るしかないだろう。 ●タイトル:(7)大好きなお祖父ちゃん ●分類:調査 ●専門能力:サバイバル ●GM情報  消息不明になった隊商、そのリーダーである大塚ヤスジロウの孫娘を捜索するイベント。  彼女を無事保護できたかの判定を行わせる。 ▼人物  大塚ユタカ:15歳前後。最近ハンターとして覚醒したばかりの少女。ハチオウジベース所属。祖父が率いている隊商が消息不明と知った彼女は、心配のあまり単身で高尾山に立ち入ってしまった。 ▼詳細  ハチオウジベースのメッセンジャーから、隊商を捜索するため高尾山に入っていった新米ハンターが居るという連絡を受けた。  そのハンターの名は大塚ユタカ。消息不明になっている隊商のリーダーの孫娘だ。彼女はまだ訓練も受けておらず、コロッサルに遭遇すれば生存は絶望的だ。祖父を心配するあまり無謀な単独行動に出た彼女を、一刻も早く保護しなければならない。  ただ、高尾山はベースよりもゾーンの影響を強く受けており、雨風の勢いは非常に強い。PCは暴風雨の中、ユタカを見つけられたか判定を行うこと。 ●プライズ ▼成功:サポートハンター  天候の悪化から、山の中腹で足止めを食っていたユタカを無事発見できる。ユタカはPCたちに見つけられると、冷静さが戻ってきたのだろう。「本当に、申し訳ありませんでした」と素直に謝罪する。  ただし、彼女は救出を諦めていない様子で、PCに祖父の特徴や普段から身につけているものを教えてくれる。顔に銃創があり、常に烏天狗の面を所持しているらしい。隊商のマークもそれにちなんだものだという。 「お願いします、どうかお祖父ちゃんを助けてください!」  彼女は祖父を救助してくれるなら、なんでも手伝うと言う。新米だが、ベース周辺のトラブル対応なら役に立ってくれそうだ。 ▼失敗:なし  捜索中、メッセンジャーからユタカを保護したという連絡を受け、捜索は中断となった。幸いにも彼女に大きな怪我はないという。  メッセンジャーは余計な手間をかけたことを詫びてくるが、不測の事態は起こるものだ。互いの職務を労い合うなどして、別の仕事に向かうことになるだろう。 ●タイトル:(8)舞い降りし凶兆(L) ●分類:なし ●専門能力:なし ●移動表  ルールブック・180ページ掲載の行動表を参照。 ●詳細  黒雲うごめく山頂に、強風をものともせず悠々と翼を広げて飛ぶ怪鳥がいる。  風雨は強まる一方で、雨に遮られてハチオウジベースの姿は見えない。ガルーダは文明の残り火を消し去らんとしているようにも見えた。  あの凶鳥{ルビ:きょうちょう}をベースに向かわせるわけにはいかない。  武装を作り出し、決戦フェイズへ進め! □エピローグ ●コロッサルに勝利した場合  雨が上がり、雲の隙間から日差しが漏れてPCたちを照らし出す。それはベースにまで届く、勝利の先触れとなった。  RIACTの救援部隊によって、寺院に身を隠していた大塚たちも無事帰還できるだろう。  ハチオウジベースとサガミハラベースの交流も様子を見て再開し、すぐに活気を取り戻すはずだ。  殊勲者たる君たちが、しばし休んでも罰は当たらないだろう。神仏の加護があるようだから。 ●コロッサルに敗北した場合  コロッサルが舞い降り、大型台風を凌駕する暴風雨がベースを襲った。文明の残り火がかき消されていく。  住民は無事避難できたのだろうか。サガミハラベースに、このコロッサルの情報は届いているのだろうか。  君たちは這い寄る死を自覚しながら、ただそう思わずにはいられなかった。